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障子に映る庭の木影、か弱い小さな虫、神社や寺院の無に至る参道──名もない庶民の生活のありふれた光景のひとつひとつに、詩人小泉八雲は日本人の心の営みのこまやかさ、優美な豊かさを、深い共感をこめて見出した。「先の見えない猪突猛進的な産業化が日本の人々の楽園を駄目にしてしまった」(本書「虫の演奏家」)今日、われわれ日本人が見つめなおすべき、古き良き日本の「心」がここにある。
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