ロシアについて

文春文庫

ロシアについて

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出版社
文藝春秋
著者名
司馬遼太郎
価格
726円(本体660円+税)
発行年月
1989年6月
判型
文庫
ISBN
9784167105587

ともかくも、日本とこの隣国は、交渉がはじまってわずか二百年ばかりのあいだに、作用と反作用がかさなりあい、累積しすぎた。国家にも心理学が適用できるとすれば(げんにできるが)、このふたつの国の関係ほど心理学的なものはない。つまりは、堅牢な理性とおだやかな国家儀礼・慣習だけでたがいをみることができる(たとえば、デンマークとスウェーデンの関係のようになる)には、よほどの歳月が必要かと思われる(あとがきより)。

おもに日露関係史の中から鮮やかなロシア像を抽出し、将来への道を模索した、読売文学賞随筆・紀行受賞の示唆に富む好著。

目次

ロシアの特異性について

シビル汗の壁

海のシベリア

雑談として1

カムチャッカの寒村の大砲

湖と高原の運命

雑談として2

雑談として3

雑談そして4

雑談として5

雑談として6

あとがき

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