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祐宮(さちのみや)(明治帝)のご降誕をあざわらうかのように浦賀に現れた黒船は、徳川260年の泰平の夢を破った。日本の国力は安易な攘夷(じょうい)を敢行できるほど強固ではない。それを見こして列強は激しく開国を迫る。佐幕開国か尊皇攘夷か。世論はまっぷたつに割れ、孝明帝の条約不勅許をめぐって幕府の懊悩(おうのう)はつのる。
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