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現代政治の混迷は、西欧の政治理論の無定見な導入と信奉にあるのではないか――。勝海舟の大陸的ともいえる先見の洞察力と、生粋の江戸っ子気質は、徳川幕府と江戸の町を護り、時代の混乱を最小限にくいとめた。その政治的な手腕は薩長閥政府の中にあって一服の清涼剤であり、今なおその魅力を失わない。海舟が晩年、問われるままに残した小話は、今も我々が改めて自身を省み、そして帰るべき途がどこにあるかを示している。
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