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兼好は自在に、さまざまの話題にふれ、『徒然草』という独自の世界をくりひろげてきたが、この中で、みずからの行為をあまり語らなかった。しかし、彼は第238段で珍しく自賛のことどもを七つも並べ、第243段では、幼時の体験父とのやりとりを回想してさりげなく筆を置く。余韻の残る閉じ方である。本巻は、第183段から終章までをたどり、作者・作品についての解説、兼好の年譜、参考文献一覧を付す。(全4巻完結)
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