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北村季吟の源氏物語の注釈書「湖月抄」を巻毎に影印。延宝三年に上梓された本書は、三条西学統の流れを汲み、江戸時代を通じて最も広く流布し、源氏物語の普及・研究の促進に大きく寄与した重要な書。注釈は、頭注と傍注から成り、頭注に諸注を集成し、自らの注を加え、傍注では文中の人物や言葉の主を示す他、語意の解釈等を諸注および自説によって説く。全体に季吟自身の注解が控え目である点において、旧注の大体がうかがえる資料としても貴重。本文は比較的穏健な校訂によるもので、流布本としての価値を今でも失なわない。演習、講読に絶好。
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