仕事で悩まない減価償却

仕事で悩まない減価償却

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出版社
ロギカ書房
著者名
土田義憲
価格
2,640円(本体2,400円+税)
発行年月
2024年5月
判型
A5
ISBN
9784911064054

会計に減価償却という手法が導入されたのは、蒸気機関車が発明され、鉄道網が整備されたイギリスの産業革命期であるとされています。
それまでの会計の手法では、支出したお金を経費、受け取ったお金は収入とし、その差額が儲け(利益)とされていました。
しかし、鉄道事業では、顧客から運賃という収入を得る前に線路用の土地買収、レールの敷設、駅舎の建設、蒸気機関車や客車の建造などに膨大な支出を要します。従来の会計手法に従えば、鉄道が開業する前の数年間は支出による経費の発生が先行し、巨額の赤字が発生し続けます。これでは、投資家に配当を支払うのは夢のまた夢であり、彼・彼女らから鉄道建設に必要な資金を集めるのは容易なことではありません。
そこで鉄道事業を夢見た人たちは、鉄道施設建設のための支出を支出した年の経費ではなく、建設した鉄道施設を利用する期間に配分し、配分された金額をその期間の経費とする方法を考えついたのです。これが減価償却の始まりです。
これにより、それまでの支出= 経費という考えを改めて、支出額は投資、経費は各期間に配分された金額(すなわち、減価償却費)とする考え方が誕生したのです。
そしてここに、新たな疑問を持つ人が多数誕生します。「お金を支払ったのならば、儲けを計算する際に収入から控除する」のは当然だが、「お金を全然支払っていないのに減価償却費を控除するのはなぜだろう」という疑問です。
「儲けを計算する際に、お金を支払っていない減価償却費を収入から控除するのはなぜだろう?」という疑問を持つ人は、現在でもかなりの数で存在します。これから先の、すなわち将来の儲けの有無と大きさを判断する際に、減価償却費の存在に惑わされる人も少なからず存在します。本書は、そのような方々の疑問に答えるために書き下ろしたものです。
減価償却の意味、減価償却の方法、記録方法に関しては、すでに多くの出版物があります。しかし、「会社の損益計算書に表示される減価償却費は現金の支出がないのに収益から控除されるという特異性とその影響」、「製品や新規受注品の価格計算における減価償却費の取扱い」、「追加投資を検討する際の減価償却費の位置づけ」等を取りあげた出版物はあまり多くないように思われます。
そこで本書では、仕事をする人が減価償却費に惑わされることなく、正しい判断をするのに役立つように、以下の事項を中心に取り上げています。
●利益計算における減価償却費の意味
●利益と現金増加額の関係
●製品価格・新規受注・追加投資の決定をする際の減価償却費の取扱い
●その際に考慮すべき減価償却費の真の姿
他方、減価償却の意味、償却方法、記録の方法という基礎的な解説は最小限にとどめています。

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