紫式部の実像

朝日選書

紫式部の実像

1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります

出版社
朝日新聞出版
著者名
伊井春樹
価格
1,980円(本体1,800円+税)
発行年月
2024年2月
判型
四六判
ISBN
9784022631312

私は、紫式部と具平親王との関係が気になって調べ、その生涯をたどることにしたのが、本書を書くきっかけとなった。二人は血縁関係にあるだけではなく、父為時は長く具平親王の家司として仕え、おじの為頼は、具平親王や藤原公任らとも強い友情関係で結ばれていた。すると、具平親王や公任は、若いころの紫式部を知っていたはずで、深いかかわりが想像されてくる。紫式部は父に伴われて具平親王邸に出入りし、漢籍とは異なる多様な知識を吸収し、物語にも目覚めたのではないか。
 具平親王は六条の宮と称され、その邸宅は「桃花閣」とも「千種殿」とも呼ばれ、庭には季節ごとの草花が植えられていた。文人たちが集まっての詩歌の会も催されており、紫式部は身近に見聞きもしていたことであろう。このようにたどると、光源氏の六条院のモデルになったのではないかと思われ、紫上の春の御殿や秋好中宮の秋の御殿も連想されてくる。新しい視点として、注目される。(「はじめに」より)

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top