礼物軌式

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出版社
八木書店
著者名
深井雅海 , 藤田英昭
価格
17,600円(本体16,000円+税)
発行年月
2023年12月
判型
A5
ISBN
9784840652193

「礼物軌式」(れいもつきしき)は、尾張徳川家より、幕府への献上物(時献上)62点の仕立方について、文化13年(1816)時点の情報を図入りでまとめ、解説した書である。現存するものは、写本で全5冊。季節ごとに冊が分けられ、春・夏・秋・冬の各1冊ずつと、附録の1冊で全5冊という構成になっている。序と奥書によれば、成立は文化13年の5月。内容は、春夏秋冬が徳川将軍家への献上、附録が尾張家の奥より将軍家への献上物について解説が載せられている。序によれば、「調進之法」(献上の作法)は、古式に則り、常に旧録を参照にしてきたが、明暦の大火によって旧録の半分が失われ、口伝で補ってきた。元文年間に不明点を調査し、一書にまとめたが、さらに異同を正し脱漏を補ったものが「礼物軌式」である。さらに奥書によれば、編纂者の5名(小倉六兵衛・竹村逸平・鬼頭長十郎・武藤与一郎・生駒斧三郎)は、いずれも尾張藩士であった。
贈答は、人間関係を円滑に進めるうえで重要な行為の一つである。江戸時代、天下泰平の世にあって、大名家は自藩の存在を喧伝するため、四季折々に領内で獲れた物産などを徳川将軍家に献上していた。『武鑑』では、これを「時献上」と称した。
明和2年(1765)『武鑑』によりと、258家の大名家から「時献上」として献上した品目は、実に1922品に及ぶ。こうした品物は、丁重に荷造りされて将軍家に献上された。本書「礼物軌式」は、文化13年5月の成立で、尾張藩士の編纂にかかる。尾張徳川家の音信贈答に関係した役人たちが、手控・備忘のために編纂したものであり、春11品、夏9品、秋16品、冬8品、その他16品の経62品が彩色絵入で収録されている。江戸期の「時献上」(献上品)の実態がわかる大変貴重な史料である。

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