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ぼくが九歳、姉の風花ちゃんが十二歳になった四月に、お父さんとお母さんは、離婚した。理由を訊いたら「今は説明してもわからないと思うので、言わない」ってお母さんは言った――
じつは、父が専業作家を目指し、仕事を辞めたことが原因らしい。
仕事に復帰した母と暮らす小学生の姉と弟は、休みのタイミングで、父が暮らす海辺の町へ行く。
そこで出会う人々との交流で、子供たちは成長していく。
また、ひとり家で待つ母にも、心情の変化が……。
自分に素直に生きようする男と、その妻、子供たちのイマドキな家族のカタチを、それぞれの視点で繊細に描いた優しい小説を初文庫化!
解説:藤田香織
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