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幾世代にわたり、人々の生活に寄り添ってきた布たち-
貧しさの中で生まれた名もなき人々の手作業が、見る者を圧倒する。
かつて日本の農村や漁村で使われていた、「襤褸(らんる)=ぼろ」。
布が貴重だった時代、人々は細かな布を大切に継ぎ合わせ、布団として、着衣として身を包んできました。現代では見られなくなったこれらの布たちは、今や「BORO」として世界にも通じるほど、アート・テキスタイル分野でも評価されています。
本書では、著者が35年にわたり蒐集した1000点以上のコレクションの中から、500点余を収録。名もなき人々の手で、意図せず作られた美の世界に心が揺さぶられます。
人の営みがこの布に凝縮し、生活の厳しさを今に知らしめている。 ―本文より
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