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戦後日本の抱える問題の原因のほとんどすべては、日本国憲法第九条に収斂されていくのではないだろうか。
今回のロシアによる武力侵攻に対し、ウクライナ国民は子々孫々の世代が自分たちと同じ「自由」を謳歌できるために戦っている。国民の生命と財産、領土と領海と領空を守ることこそ国防だが、もっとも大切なのは「独立」だ。敵国の要求を〓めば戦禍は免れるが、それは本当に自国の歴史や国柄にとっていいことなのだろうか? ウクライナの人たちはそういう思いから銃をとって戦い、世界中から称賛されている。ひるがえって我が国は、憲法九条や非核三原則に寄りかかることで「日本は大丈夫」という――冷静に考えれば何の根拠もない――安心のなかに戦後を過ごしてきた。憲法九条によって国民の生存を他国に委ねた日本と、のちに破棄されたブタペスト覚書によって核兵器を放棄したウクライナは相似形にある。今こそ、私たちは憲法九条の平和幻想から脱却し、事実に基づいた歴史に学ばなければならない。本書により一人でも多くの方が〈九条という病〉から回復できることを心より願っている。
発行:ワニ・プラス
発売:ワニブックス
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