ハイニヘン「新しい通奏低音奏法(1711年)」

ハイニヘン「新しい通奏低音奏法(1711年)」

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出版社
道和書院
著者名
ヨハン・ダーヴィト・ハイニヘン , 久保田慶一 , 小沢優子
価格
4,400円(本体4,000円+税)
発行年月
2022年1月
判型
A5
ISBN
9784810530063

音楽史の基礎文献!

J.S.バッハと同時代のハイニヘンの実践的教本,待望の完訳!



ヨハン・ダーヴィト・ハイニヘンは1683年生まれ。J.S.バッハの2歳年上で,バッハがケーテンの宮廷楽長に就任した同じ年に,ザクセン選帝侯下のドレスデンの宮廷楽長となった人物である。J.G.ヴァルターは『音楽事典』でバッハよりも多くの紙幅を割いてハイニヘンを紹介し,音楽史家C.バーニーは「ドイツのラモー」とハイニヘンを称えている。



ライプツィヒの聖トーマス学校でヨハン・クーナウらに教えを受け,ライプツィヒ大学法学部に進学後も,テレマン創立のコレギウム・ムジクムや,ライプツィヒの新しいオペラ劇場で,チェンバロ奏者として活躍。

大学卒業後は弁護士として働いていたが,1709年,ザクセン・ツァイツのナウムブルクの宮廷楽長となったのを機に,音楽の道へ。オペラ,宗教曲,世俗カンタータ,協奏曲など,旺盛な作曲を展開し,イタリアでも数年にわたりオペラ上演などの活動をおこなった。



弱冠28歳で,本書『新しい通奏低音奏法』をハンブルクで出版。書名に「愛好家が独学でも通奏低音を習得できるように」とうたい,多数の譜例を掲載して,徹底的に実践的にまとめられた教本である。この時代の即興や作曲に関する考え方,劇場様式(レチタティーヴォ)の奏法,修辞学と関連したインヴェンツィオ(主題)の創作,アフェクト(情念)の表現についても説明されており,バロック音楽を理解するための最高の概説書ともなっている。



本訳書の特徴はもう一つ。ハイニヘンは46歳で若くして亡くなったが,その直前,900頁を超える大著『作曲における通奏低音』(1728年)を出版している。その内容は前著の増補改訂版と言えるため,本書では「解説」で,2冊の間でどのような相違があるのか,ハイニヘンの音楽観の変化など,そのエッセンスを詳しく紹介している。この1冊で,ハイニヘンの著書2冊についての概要をつかめるようになっている。



50頁を超える「解説」はほかに,ハイニヘンの人物像と作品の概要,同時代の評価,音楽論の特徴などを詳述している。



付録には,ハイニヘンが2冊の著書で紹介したチェザリーニとアレッサンドロ・スカルラッティのカンタータ全曲を,ハイニヘンの指示に基づいて現代のチェンバロ奏者がリアリゼーションした例を掲載。ハイニヘンの教えを音楽で実地に確認できる。

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