空の神様けむいので

空の神様けむいので

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出版社
影書房
著者名
多胡吉郎
価格
2,530円(本体2,300円+税)
発行年月
2021年9月
判型
四六判
ISBN
9784877144890

「むくむくむくと
黒い煙が
空の御殿へ上がったら 
空の神様けむいので
涙をぼろぼろ流してる」(童詩「雨」)

――詩がたたえるみずみずしい感性、ひとりの人間としての想い。時代の強いた困難を、「文の林」=「言葉」によって乗り越えようとした人――朝鮮王朝最後の王女、徳恵(トッケ)翁主(オンジュ)。
日本の植民地支配下、生まれながらに日本と朝鮮の狭間に生きる運命を強いられ、日本留学、日本人伯爵との政略結婚の果てに、心の病を得て「もの言わぬ人」となった悲劇のプリンセス。
だが彼女には少女の頃、童詩に和歌に才能を発揮し、輝くばかりの言葉の精華を紡ぎ「詩の天才」と呼ばれた時代があった――。

「もの言わぬ人」の「言葉」を追い求め、新発掘の資料から描破するラスト・プリンセスの真実。徳恵翁主評伝の決定版。

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