否定表現への意味論的・語用論的アプローチ
否定の一般的概説から、any や yet など否定文で現れる否定極性項目、否定接辞の分析、否定表現の通時的・通言語的考察、さらには、否定と否認の関係まで、多様な英語の否定現象の世界を解き明かす。とかく抽象的な議論の多い否定表現研究だが、意味論的・語用論的なアプローチを重視し、「英文法を解き明かす」シリーズらしく、数多くの英語小説から用例をとっているところが魅力。
〈目次〉
第1章 否定の概説
1.1 否定現象
1.2 否定の分類と否定文
1.3 否定辞の分類
1.4 否定の多様性
1.5 否定とその他の要素との関係
1.6 まとめ
第2章 否定極性項目
2.1 NPI の生起環境
2.2 NPI の分類
2.3 統語論的分析
2.4 意味論的・語用論的分析
2.5 「拡張」と「強化」
2.6 尺度:NPI の語彙意味論
2.7 まとめ
第3章 否定接辞
3.1 否定接辞の意味:「反対関係」と「矛盾関係」
3.2 接辞同士の比較
3.3 un- のついた形容詞
第4章 否定のサイクル
4.1 「否定のサイクル」とは何か
4.2 英語の否定のサイクル
4.3 タブー語:多重否定から単独の否定表現へ
第5章 否定と否認
5.1 否定 (negation) と否認 (denial)
5.2 否定辞によらない否定
5.3 イディオムによる否認
5.4 二重否定、比較の否定、If 条件文:否定辞があっても肯定になるもの
5.5 否定と否認の関係
5.6 否認と「否定の有標性」
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