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考古学者が“発掘”したD級(デラックス)グルメ。食の異文化体験記。
市場、露天屋台、町の食堂、家庭の食卓などで出会った、安くて美味しくて満腹になる庶民の味。
米、麺、あらゆる動物、山海の珍味、昆虫……どんな食材でも、驚きの調理法で美味しく味付けをされ卓に並ぶ、奥深く多様な中国食文化への招待。
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湖南省博物館と馬王堆漢墓を見学した日の夜、湖南省の考古学研究の指導者と会食した。
しばらくすると、宴席にそぐわない肥溜のような臭いのする真っ黒いものが運ばれてきた。湖南出身の毛沢東の好物の臭豆腐だった。
醗酵液に漬け込んだ豆腐を揚げる臭豆腐、ことに湖南の臭豆腐の臭さは抜群で、この味に慣れれば同じ醗酵食品の中でも臭さの代表的な伊豆諸島特産のムロアジを醗酵させたくさやなど問題なく食べることができる。韓国全羅南道の木浦市にエイ(ホンオ)の面白い食べ方がある。エイを甕に詰めて醗酵させるが、ものすごいアンモニア臭がする。刺身で食べたが、ホンオも新島のくさやも琵琶湖の鮒鮨も、その臭さは湖南の臭豆腐にかなわない。一度味わってみては如何だろうか。 (本文「Ⅳ 龍も虎も食べました」「湖南の臭豆腐」より抜粋)
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