アメリカの音が響く、音楽が響く、そして、声が響くーー。
「外傷、身体、音声、音楽、記憶」を通して聞き取った
アメリカン・マインドの多声学的な音響風景
「この本に寄せられた10の論考は、アメリカ、音声、音楽、記憶といった
テーマを共有する中で私に語りかけられた声だと思っている。」(監修/下河辺美知子)
【主な目次】
◎序文=セオリー狂騒曲――極東における受容と変容(巽孝之)
●第一部 音が響く
◎第一章=恐怖の音がこだまする――「アッシャー家の崩壊」に見るテロの構図(髙瀬祐子)
◎第二章=音とオカルト――ハーマン・メルヴィルとラフカディオ・ハーンのコスモポリタニズム(佐久間みかよ)
◎第三章=恥、あるいは人格の臨界――ヘンリー・ジェイムズの知の体質について(新田啓子)
●第二部 音楽が響く
◎第四章=現実(フェイス・ザ・ミュージック)に立ち向かえ――『気まま時代』(一九三八)における精神分析(日比野 啓)
◎第五章=場違いな音楽――ポール・ボウルズ『シェルタリング・スカイ』における異国の響き(大串尚代)
◎第六章=「ジャズが感じられる瞬間」――ラルフ・エリソンの合衆国憲法とジャズ(権田建二)
◎第七章=ニューディールの残響――『欲望という名の電車』と一九三〇年代(舌津智之)
●第三部 声が響く
◎第八章=声を書くということ――『ビリー・バッド』の草稿とビリーの吃音(板垣真任)
◎第九章=オバマのヒロシマ・スピーチを聴く--ナショナルナラティヴから千羽鶴の物語へ(伊藤詔子)
◎第十章=声なき絶叫――「税関」を通って『白鯨』へ(巽 孝之)
●言葉を届ける(下河辺美知子)
(書評、エッセイなどを収録)
書評『アセンブリ』(ジュディス・バトラー)
書評『盗まれた廃墟』(巽孝之)
書評『批評的差異』(バーバラ・ジョンソン)
書評『日本語がほろびるとき』(水村美苗)
書評『マニエリスムのアメリカ』(八木敏雄)
劇評『風とともに去りぬ』
劇評『ダディ・ロング・レッグズ』
映画評『戦場でワルツを』「トラウマの記憶から届いてくる声」
村山敏勝さんを偲んで
「ショートターム的思考の呪詛に抗って― 今届けたい言葉」
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