本書では生物活性天然有機分子がいかにして構築されてきたのか,歴史的に代表的な生物活性天然有機分子の合成とその進展を取り上げる。
第1章では,Woodwardによる数々の天然物全合成から,多数の不斉点をもつレセルピンの全合成を取り上げる。それらの不斉点をいかに完全に制御して, 立体選択的に合成したのか,といったWoodwardの考案した新しい概念(立体選択的合成)を学ぶ。
第2章では,現代の合成化学においては不可欠な,Coreyによる逆合成解析について概略を学び,いくつかの天然物合成例を紹介する。
第3章では,ストリキニーネを取り上げ,その全合成の変遷を眺めることによって,全合成という学問の歴史と進歩を俯瞰する。新反応の開発がいかに天然物の全合成に反映されているか,とくに20世紀後半に爆発的な進展をみせた有機金属反応がいかに天然物の全合成を変革させたのか,いくつかの例を紹介する。
第4章では,医薬品創製における天然物全合成の重要性について述べる。天然物合成の意義と重要性さらには面白さの一端を伝えたい。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。