取り寄せ不可
第五代ウィンダム男爵ジュリアン・アシュトン・カーライル。
忘れもしない、ケイトの最初で最後の恋人だ。
18歳だった。純粋な愛はすぐに二人を引き裂く悪意に巻き込まれ、
身分違いだと思い知らされたケイトは、血を吐く思いで諦めた。
きっと彼はもう伯爵令嬢と結婚し、子供もいるにちがいない……。
つきまとう過去の痛みを、時は決して癒やしてくれない。
ある朝、出社したケイトは言葉を失う。新しい顧客を紹介され、
目の前に立っていたのは――ジュリアンだった。
彼は屈託のない笑みを浮かべ、「はじめまして」と囁いた。
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