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戦後思想のなかに独自の地歩を占める思想家――竹内好。中国文学研究者でありアジア・太平洋戦争下での従軍体験もあった彼は、中国近代の歴史と文学に現れた思想を動態的にとらえ、そこから独自の「近代」論や文学論、アジア論・知識人論などを紡ぎ出していった。さらに戦後日本人の思想の在り方にも真正面から向き合い、ナショナリズムや民族・民主主義というものを根本から考え続けた。その竹内は、同時代の歴史学とどのような対話を繰り広げ、また歴史そのものをどのように考えていたのか。また現代の歴史家は、彼の思想といかなる対話をなし得るのか。本書は歴史学の立場と手法から、竹内の思想と歴史認識にさまざまな角度からアプローチする。
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