満映とわたし

満映とわたし

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出版社
文藝春秋
著者名
岸富美子 , 石井妙子
価格
1,760円(本体1,600円+税)
発行年月
2015年8月
判型
B6
ISBN
9784163903149

今年95歳になる岸富美子。女性映画編集者の草分けであり、「満映」(満州映画協会)の最後の生きた証言者でもある。



15歳で第一映画社に編集助手として入社し溝口健二監督の名作「浪華悲歌」「祇園の姉妹」の製作に参加、その後、原節子主演の日独合作映画「新しき土」の編集助手も務める。映像カメラマンだった兄の渡満に従い、1939年、国策映画会社だった旧満州映画協会に編集者として入社。赴任当時の甘粕正彦理事長の姿を記憶にとどめている。



1945年8月敗戦直後に甘粕は自決する。指導者を失った満映社員とその家族たちはソ連侵攻にともない、朝鮮への疎開を図り奉天まで移動するが、脱出かなわず、再び新京の満映に戻る。国共内戦の勃発と共に、岸一家(夫も映像カメラマン)は日本人技術者として貴重な映画機材を守り、中国人技術者を教育するという決意のもとに中国共産党と共に松花江を渡り、鶴岡に赴く。ここで記録映画の製作などを始めるが、多くの日本人が人員整理の対象となって松花江近くの部落で過酷な重労働を強いられる。1949年、苦難を経て三年ぶりにかつての満映、東北電影製片廠に戻り、中国映画の編集をしながら、中国人スタッフに映画編集の技術を教える。1953年にやっと日本に帰国するが、レッドパージで日本の映画会社には就職できず、岸にはフリーランスで働く道しか残されていなかった。



その歴史に翻弄された苦難の生涯と国策映画会社「満映」の実態を、ノンフィクション作家・石井妙子の聞き書きと解説によって描きだす、戦後70年の貴重な証言本。

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