奴隷小説

奴隷小説

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出版社
文藝春秋
著者名
桐野夏生
価格
1,320円(本体1,200円+税)
発行年月
2015年1月
判型
B6
ISBN
9784163901961

突然原理主義者らしき兵士に襲われ、泥に囲まれた島に囚われてしまった女子高生たち(「泥」)。村の長老との結婚を拒絶する女は舌を抜かれてしまう。それがこの村の掟。そしてあらたな結婚の相手として、ある少女が選ばれた(「雀」)。アイドルを目指す「夢の奴隷」である少女。彼女の「神様」の意外な姿とは?(「神様男」)。管理所に収容された人々は「山羊の群れ」と呼ばれ、理不尽で過酷な労働に従事せざるを得ない。そして時には動物を殺すより躊躇なく殺される。死と隣り合わせの鐘突き番にさせられた少年の運命は?(「山羊の目は空を青く映すか」)。

時代や場所にかかわらず、人間社会に時折現出する、さまざまな抑圧と奴隷状態。それは「かつて」の「遠い場所」ではなく、「いま」「ここ」で起きてもなんら不思議ではない。本作を読むことも、もしかすると囚われのひとつなのかも――。

何かに囚われた奴隷的な状況であることのみが共通する、七つの物語。桐野夏生の想像力と感応力が炸裂した、超異色短編集。

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